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[#12055] TPS63000 昇降圧DC-DCコンバータモジュール(3.3V/5V)
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電源電流が流れたまま出力が出ない。不良ではないか?
2020-09-02更新
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こちらの製品は電源オン時の突入電流が割と大きいです。3.3V出力よりも5V出力だと突入電流もより大きくなります。突入電流は瞬間的(0.5ms程度)ですので、それを超えると電源電流は安定します。TPS63000データシートのSTARTUP AFTER ENABLEの波形を見ていただけるとInductor Current(TPS63002)(=入力電流とほぼ等価)ピーク1A以上流れているのがわかります。
▼黄色:電源電圧(安定化電源利用)、水色:出力電圧(5Vに設定)無負荷です、緑:電源電流

一般的にはこの突入電流を低減するためにソフトスタートという機能があり、最初は数msの時間をかけてゆっくり入力電流(インダクタ電流)を増加させていくようになっています。
TPS63000にもこういう機能がありますが、時間を掛けてゆっくりではなく、出力が1.2Vに到達するまでという電圧制御になっています。出力が1.2V未満では入力電流は400mAに制限され、それ以上流れません。
1.2Vを超えると通常動作モードになります。そのため出力電圧1.2Vを超えるとTPS63000が出力を規定に上昇させようとするのでいきなり電流が流れます。これに電源・電池が対応できないと、電流を引き込んだままになってしまいます。数100μs流れると出力が安定し、入力電流も小さくなります。
この製品はもともとこういう特性なので、変えることはできません。同じスペックでもメーカーが違うと設計も違うので動作も大きく変わってきます。同じ電圧、電流値のDC-DCコンバータでもメーカー、型番によって挙動はかなり違います。そのためにいろいろなメーカーの電源モジュールを生産しています。
▼やり方を変え、あらかじめVINに電源を投入しておいて(モジュールの入力コンデンサが充電された状態で)、遅らせてENピンをオンするとピークは改善しますが、突入電流はさほど変わりません。
・黄色:電源電圧(安定化電源利用)、水色:出力電圧(5Vに設定)無負荷です、緑:電源電流、ピンク:ENピン

この電流を供給するために、入力にコンデンサを追加すれば改善しますが、コンデンサの種類・容量は電源の種類、電源のスイッチ、配線長などに影響されますので、どれがいいというのは簡単には言えません。数10uFのコンデンサを付けてみて、どのように波形が変わるか確認する必要があります。小さすぎると改善しないですし、大きすぎるとコンデンサの充電電流が大きくなり、より引き込み電流が大きくなり悪化することもあります。また入力コンデンサと入力の寄生インダクタとの共振により、高電圧が発生してTPS63000が壊れる可能性もあります。
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●データシート・ファイル (うまく表示されない場合は、右クリックしてファイルに保存してから開いてください)
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TPS63000モジュール説明書
(436kバイト) 2013年 02月 11日
データシート[日本語]
(753kバイト) 2011年 08月 06日
DATASHEET[英語]
(789kバイト) 2012年 07月 17日
寸法図
(57kバイト) 2013年 07月 21日
DC-DCコンバータセレクションガイド
(7,354kバイト) 2023年 04月 19日
●その他の質問一覧(この商品について)
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電源電流が流れたまま出力が出ない。不良ではないか? 2020-09-02更新 |
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