INA22xシリーズの測定値補正方法
2023-08-12更新
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INA226,INA231.INA238.INA228シリーズにおいて測定した電流と表示した電流値にずれが生じることがあります。これはシャント抵抗のばらつきやはんだ付けのばらつきによって生じる誤差になります。1.000Aを計測しているのに0.985Aのように表示されるのは気分が良くないので補正する機能を入れてあります。
※注:この機能を利用するには外付けのスイッチが必要です。
※INA260にはもともと0.2%精度で高精度なのでICに補正機能が備わっておりません。この設定画面は表示されません。
MODEボタンを何度か押すとGainAdj.の画面になります。初期値は2048(INA228,INA238は4096)が表示されています。この数値を変えることで細かく補正ができます。
▼この説明はINA226, INA231についてのものです。
まず正確な電流計を用意して既知の電流を測定します。例えば正確な1.000Aという電流が流れていると分かっている回路をこのモジュールで測定します。表示値が0.985Aのように出てしまう場合は次のように補正値を計算します。
(1.000/0.985) * 2048
=2079.187
初期値の2048をUp/Downのボタンを押して2079に変更します。UP/Downボタンを追加する方法はこちらをご覧ください。Up/Downボタンを長押しすると高速に変化します。
逆に1.000Aを測定しているのに1.095Aと表示されてしまう場合
(1.000/1.095) * 2048
=1870.319
この場合はGainAdj.を1870に変更します。これで正しい電流値が出るように補正されます。2048が補正なしを表しています。
・一度設定した補正値は電源を切っても消えません。
・補正値に0を設定してしまうと何Aを計測しても0.000Aのまま変化しません。
・電圧については補正の機能はありません。
・上記は電流のゲインの調整ですが、電流のオフセットの調整機能はありません。電流のオフセットは通常±1LSB程度なので補正する必要性がありません。
・表示器のオールリセットをすると元の2048(INA238, INA228は4096)にリセットされます。
・Up/Downボタンを押して数値を変更し、MODEボタンで次の画面に移った時に設定値が保存されて有効になります。(数値を変更し、そのまま電源を切った場合は変更は反映・記憶されません)
・お使いになる電流を測定し、安定してからこの補正値を算出してください。冷えた状態と稼働して暖かくなった時とでは温度でわずかに補正値が変わってくるからです。そのような微妙な変化も精度に影響する商品です。
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●データシート・ファイル (うまく表示されない場合は、右クリックしてファイルに保存してから開いてください)
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液晶表示器の共通説明書
(1,041kバイト) 2024年 12月 15日
寸法図
(88kバイト) 2024年 12月 13日
●その他の質問一覧(この商品について)
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