従来型のUSB機器で小規模、低データ量を扱う場合はHID(ヒューマンインターフェースデバイス)とするのが低コストでデバイスドライバも不要で簡単でした。ロースピードの1.5Mbpsで十分だったからです。
それ以上のスピードではUSBシリアル変換IC、FT232, FT2232, CP2102, CH340などを使用して回路を設計するのが一般的です。USBの認証や各種OSの署名付きデバイスドライバが用意されているからです。USBベンダーIDを持っていない。ソフト開発を省略できる代わりにこれらのICのコストがかかってしまいます。
上記IC, ドライバを使用しなくとも、WindowsにはUSB CDCという仮想COMポートを以前から使用することはできました。しかしusbser.sysやINFファイルをコピーしなければならないことや電子署名が必要なこともあり、あまり一般的ではありませんでした。Windows 11からは何も必要なくUSBマウス、キーボードと同じように差し込んですぐにUSB CDCの仮想COMが使えるように変わりました。
独自のデバイスドライバは開発スキル・コストもかかりますし、Windowsのアップデートに追従して修正しなければなりません。独自のソフトをインストールするには真正なものであることを確認するために、暗号化・署名が必須になるなど、インストールが厳しくなっています。これらを踏まえますと別ファイルを配布する必要もなく、署名も不要となり、低コストでこの仮想COMポートを利用できるこの方式のラインナップを増やしていきます。
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